小規模事業所が8割!佐世保市の事業所規模から見える実態
はじめに
佐世保市の事業所は、実際にはどのくらいの規模なのでしょうか?大企業が多いのか、それとも小さな事業所が中心なのか。従業者数別に見た佐世保市の事業所の実態を探ってみましょう。
従業者4人以下の小規模事業所が37.4%
令和3年のデータを見ると、従業者1-4人の事業所が3,801事業所あり、全体の37.4%を占めています。さらに5-9人規模も1,631事業所(16.0%)あり、従業者9人以下の事業所が全体の53.4%を占めています。
でも雇用は大規模事業所が支える
ところが、従業者数で見ると様相が変わります。30人以上の大規模事業所は537事業所(5.3%)しかありませんが、この537事業所だけで約3.5万人を雇用していると推定されます(市全体の従業者数の約36%)。
つまり、事業所数では5%に過ぎない大規模事業所が、雇用の3分の1以上を創出しているのです。小規模事業所が多数を占める一方で、雇用は大規模事業所に支えられているという、佐世保市の二層構造が見えてきます。
産業別の規模の違い
産業別に見ると、規模の違いが顕著です。
小規模が多い産業:
- 不動産業・物品賃貸業:638事業所のうち222事業所(34.8%)が1-4人規模
- 学術研究・専門技術サービス業:400事業所のうち198事業所(49.5%)が1-4人規模
大規模が多い産業:
- 運輸業・郵便業:227事業所のうち42事業所(18.5%)が30人以上
- 製造業:529事業所のうち56事業所(10.6%)が30人以上
まとめ
佐世保市の事業所は、小規模事業所が大半を占めながらも、雇用は大規模事業所が支えているという二層構造になっています。小規模事業所は地域に根差したサービスを提供し、大規模事業所は安定した雇用を創出する。この両輪が、佐世保市の経済を支えているのです。
また、産業によって適切な事業所規模が異なることも明らかになりました。運輸業や製造業のように設備投資が必要な産業では規模の経済が働きやすく、不動産業や専門サービス業のように専門性が重要な産業では小規模でも成り立ちやすいという特徴があります。
出典:令和6年版佐世保市統計書(第35回)- 09_事業所